8月末に体調を崩し、9月頭にPCRを受けた結果新型コロナ陽性と判明。
即日保健所からの連絡で隔離療養となることになった猫温泉。
後半ではホテル療養を選んだ猫温泉のホテル療養の様子とその後をお届けします。
9月6日(日)
昼過ぎに市役所から14時に迎えに行く旨、連絡あり。そして、迎えに行く車は東京オリンピック仕様のものをこのコロナ騒ぎでホテルなどへの送迎用に流用したものであるため、住宅地では少し目立つかもしれない、と説明を受ける。
近所に不審がられたりするかもしれないので、それが嫌なら少し離れた場所に停めることもできるが、との提案。
お役所仕事という言葉とは真逆の患者への気遣いのある対応に感心しつつ、別にそれは気にしないのでとにかく自力で歩く距離が少ない方がいいのでアパートの前に来てもらうように頼む。
14時ごろ、連絡通りに市役所から車が迎えに来た。東京五輪仕様というからどんなおめでたい外見の車なのかと思ったら、殊の外普通で、黒い車体にオリンピックのマスコットのイラストが描かれている程度だった。

普段の生活してる中で見かけはしないけど、いうほどでもないなぁ、という印象。

他方、車内は軽く窓を開けての換気は当然として、運転席と後部座席の間にはビニールの間仕切りが作られており、新型コロナ対策仕様になっていた。
「火器を近づけないで下さい」の注意書きは、きっと送迎の車内でも何も考えずタバコ吸ったりする奴がいるからなんだろなぁ、ご苦労様だなぁ、と頭の下がる思い。
車はしばらく進み八王子市へ。Googleマップ上で上柚木とか鑓水とかお馴染み?の地名を見つめてたらホテルに着く。
ホテル名は伏せるが八王子駅ほど近くだった。
ホテルは通常営業はしておらず、臨時休業になっており、新型コロナの療養のために部屋を貸し出しているのだろう。
入り口が閉まっていて、運転してくれていた方が電話連絡すると、係の人っぽい男女が登場。2人は閉鎖されていた入り口を開けて待機。
運転していた方に促され車を降りると、2人から入り口に誘導される。曰く、無人のロビーの中に宛名の書いてある封筒があるので1人で入って部屋に行くように、とのこと。
また飲み物などは差し入れがロビーに置いてあるので、そちらを自由にとっていって良い、とのこと。

誰もいないロビーに入るとホワイトボードに注意書きがあり、その指示の通りに封筒をとってルームキーで部屋番号を確認し、部屋へ。

まあ、普通のビジホの廊下を通って部屋へ。

部屋に入り、封筒の中にのものを出すと都知事やら八王子市長やらの署名入りの患者宛のメッセージが。
とりあえず持ってきた飲み物を飲みながら、部屋でだらけることに。

ベットからの景色はこんな感じで普通のビジホでした。

部屋に入ってしばらくすると電話がかかってきて、看護師の方から諸々説明を受ける。
ほとんど前もって聞いていた内容で、とりあえず重要だったのは食事は時間になるとロビーに弁当が置かれているのでそれを取ってきて部屋で食べる事、弁当のゴミはロビーのゴミ捨て場に捨てる事、食事をとりに行ったりゴミを捨てたりする1時間以外は部屋から出るのは禁止であるという事。
あとは体調が悪くなったら病院への入院に切り替えもできるから遠慮なくいう事、などを伝えられる。
そして、しばらくたち17時になると、検温とパルスオキシメーター(酸素濃度測定器)で血中酸素濃度を測定するように、とのアナウンスが館内放送で流れる。
そして測定した結果をアプリで入力する事で、医師や看護師が人と接触する事なく療養の経緯を観察できる、というものらしい。
新型コロナの感染対策と同時に患者のプライバシーにも配慮しているシステムなのかな?と思うと、世間で言われているほど行政は何も考えていないわけではないんだなぁ、と当たり前のことに感心する。
検温からさらに1時間経つと再び館内アナウンスが流れる。
「お食事の用意ができましたので、一階ロビーまでお越し下さい。なお、その際はマスクを着用して〜……」
この日の昼もほとんど食欲が起きなかったので、食べられるかどうか不安だったが、とりあえず食わないと衰弱するだけなのでロビーに行って弁当を取り(電子レンジがあって温めができた)、部屋に戻る。

かなりガッツリ目で「こんな濃そうで量多そうなの食えるのか!?」と思っていたが、箸を伸ばすと殊の外パクパクと食べ進められる。
そして気づけば完食してしまい、どうやら食欲が無かったのではなく、体がしんどかったので食事を用意するのが面倒だったのだと気付く。
そういうふうに思考が落着すると不思議と食欲も戻ってくるもので、そうなると今度は夜食がないことに辛さを覚えてくる。
とはいえ、ないものはないので仕方ない。大人しく寝ようと思ったが、なんとなく体調が昼よりマシだったので久しぶりに風呂に浸かろうと思い立ち、浴室へ。
久々の入浴に体も温まり(発症後、しんどいのでシャワーは二日に一度くらいの頻度で浴びてました)、寝床へ。
確かこの日はなんか配信がやっていたのでそれを聴きながら寝る。
9月7日(月)
まあ、ホテル療養に切り替えても特に何が処方されるわけでもないので咳のせいで夜はあまり寝れない状態は続く。
そんな中、館内放送で朝の検温を知らされる。
時刻は7時。あんまり寝れてないからクソ眠い。まあ、検温して朝飯食ったら寝てりゃええからいいか、と思いながら体温を測る。
詳細な体温は覚えていないが37度後半。まあ、寝れてない状態だしそんなものか、と思う。
その一時間後の8時に朝食を告げる館内放送が流れる。
「お食事の用意ができましたので、一階ロビーまでお越し下さい。なお、その際はマスクを着用して〜……」

エレベーターに乗って一階へ。
使用階以外のボタンにはガムテープが貼られ、押せないようになっている。それにしても、ガムテで封印しなくても良いのでは?跡とか残るぞ?

朝食の弁当の蓋を開くと、朝からエライ重い。
寝不足の身で食べ切れるか不安だったが、なんとか頑張って食べる。味は悪くないが、とにかく量が多い。
なんとか食べ終え、弁当のゴミを捨てに再び一階ロビーへ。ちなみに弁当を取りに行く時間は朝は8時から9時、昼は12時から13時、夜は18時から19時。
その間に食事を終え、弁当のゴミも一階ロビーに捨てに行く。

ロビーにはペッパーがいて、近づくと語りかけてきてウザい。めっちゃ見られてる感じもして怖い。
弁当を取りに行く時間は、みんな待ちわびているのか、わりと人がいるだが、捨てるときは人によってまちまちなので、基本1人の時が多い。
一人でペッパーと見つめ合うのは割と怖い。このロボットの見た目、地味に不気味の谷に落ちている気がする。
食事を終えて2時間ほどだらだらしていると、部屋の電話が鳴ったのでとる。ホテルに詰めている看護師からで、体調に変化はないか、何か困っていることはないか、などを質問される。
咳が出て寝れないことを告げると、「乾燥のせいですかね〜、タオルとか濡らして部屋に干しておくと少し加湿できますよ」
「いや、そういうことやのーて咳止めくれよ!もともと処方されてる咳止め効いてないねん!」と、いうわけにもいかず、「はあ、やってみます」とだけ答えて寝た。
次に目が覚めたのは昼食を知らせる館内放送だった。
当然腹は減っていない。

まあ、メニューを書いたが、ほぼ食べてないのであんまり記憶はない。
出されたものを残すのはあまり好きではないのだが、とても入りそうにないので残してしまう。
食事時間の一時間が終わり、しばらくしたら説明もなくラジオ体操のテーマが鳴り始める。
どうやら「お前ら鈍ってるだろうからせめて室内でラジオ体操でもして体動かせや」ということらしい。
無視する。
昼を食べ、寝たり起きたり、Kindleに入れていた漫画を読んだりしてたら夜。
17時に夜の検温の館内アナウンスがあり、体温と血中酸素濃度を測ってアプリに登録。

昼をほぼ食べていなかったこともあり、割と夜の食事は待ち遠しかった。空腹で食べるハンバーグはうまかった。
そして夜。昼寝しちゃってるせいと咳のせいでまたなかなか寝れない。
まあ、配信みてたり漫画読んだりしてたせい、というのが主因だけどな!
9月8日(火)
咳で寝付けないなりに寝てはいたようで、朝の検温の館内アナウンスで目覚める。

前日の朝食がめちゃくちゃ重かったから警戒してたら、今度はやたら軽い。
しかも、弁当置き場には接触しないように人がいないのはともかく、メニューが何か書いている貼り紙などもないので、受け取った弁当が何かわからずにサラダうどんを温めてしまっている。
仕方なく生温いうどんを食べながら、今日は何をしようかなー、などと考えていると、看護師から日例の体調確認の電話がかかってくる。
昨日よりは咳がおさまってる気がしたこと、それでもあんまり夜は寝れてないことを告げるも「昼間何もできないですからそういう昼夜逆転してる人多いですねえー」というなんの役にも立たないありがたいアドバイスをいただく。
体調悪化したら病院での入院に切り替えることもできるんで、遠慮なく内線かけてくださいね、といわれたが、まあ体調は悪化はしてないから特に用はなさそう。
また、明日は看護師ではなく医師が電話をしてきて、10日に退所できるか判断するという。
咳が出てる話をするが、あんまり取り合ってもらえない。何故だ?
仕返しになんもない時間帯に医師や看護師に内線かけて、怖い話ないか聞いたろか?とも思ったが、めんどくさい100%なのでやめる。

朝が軽かったので美味しくいただく。チキン南蛮はタルタルの力か、どこで食ってもまあだいたいうまいから助かる。
昼は相変わらず昼寝をしつつ、Kindleに入れている漫画を読む。
昨夜から続けて読んでいるのは「四月は君の嘘」で有名な新川直司の「さよならわたしのクラマー(www.amazon.co.jp/dp/B08BHRSBFJ/ref=cm_sw_r_oth_api_fab_nB9DFb1SCKM1M)」。とても面白いのでみんなも読むといい。
前日譚に当たる「さよならフットボール」ともどもなんかアニメ化もするらしいね。
高校女子サッカー選手たちが主役の漫画で、愛だの恋だのは(今のところ)基本的に出てこないスポ根モノである。

お気に入りキャラは安達太良アリス。妖怪っぽくて好き。

何もすることがない時でも時間は過ぎていくわけで、気付いたら夜。
ちなみにここまででの検温の結果、熱は36度台後半〜37度台前半くらいまで落ち着いてきている。
9月9日(水)
相変わらず咳が出て夜はあんまり寝れない、といいつつも、夜に寝不足の原因はどうせ寝れないからとKindleで漫画読んでいたせいでもある。
なんかスポーツ漫画読みたい気分だったので「さよならわたしのクラマー」から引き続きスポーツ漫画を読む。
今回読んでいたのはマガジンで連載してるのかな?アニメ化もされていたらしい(見てなかった)安田剛士のDays(www.amazon.co.jp/dp/B08BHRSBFJ/ref=cm_sw_r_oth_api_fab_nB9DFb1SCKM1M)。とても面白いのでみんなも読むといい。
気弱でスポーツもしたことないが真っ直ぐな少年つくしが天才的な才能を持つサッカー少年風間と出会い、というお話。とぼけた描写は多いがかなり王道のスポ根。

お気に入りキャラは加藤一彦。こういうキャラ好きやねん(・ω・)

朝がどんどん軽くなっていく。まあ、それは構わんしフルーツが嬉しかった。
朝食後には昨日看護師がいってた通り、医師から電話がかかってくる。
明日ホテル退所になるが体調どうか?という話をされ、咳止まらないんだけど大丈夫?と聞くと、まあ感染力はもうないだろうから、みたいなことを言われる。
感染力云々よりも周りの人が気にするだろうから、そこが気になるんだがなぁ、と思ったがいっても仕方ないので黙る。まあ、感染力ないなら俺からうつすことはないから精神的に負い目になることもないしいいだろう。
とりあえず予定通り10日退所ということで話が進む。
咳であんまり寝れねえ、という話をしても「そうかー」的な反応だけ。この世は咳に冷たい!(´・ω・`)

お、カレーだ!っと思ったのも束の間、食べてみると……うーん、あんまうまくねえや、これ(´・ω・`)
うまくないカレーってあんまり食ったことないからしょんぼり感がすごい。いや、別にまずいわけじゃないけど、とにかく別にうまくない。とりあえずサラダとヨーグルトを片付けて、カレーはまあ食える分だけ食って残した。
ここに来て食べ物を残すことへのハードルが下がってしまった気がしてならない。良くない。

ホテル療養、最後の晩餐。まあ俺が明日退所するだけで、ホテルには今日来た人もまだまだいる人もいるわけなので別に特別なモノでもなし。
食後も、ホテル療養最後の夜になるわけだが、本当に特に何もない。
ぶっちゃけ新型コロナに関して特効薬みたいなものはないので、他の人にうつさないように隔離し、あとは本人の免疫力でなんとかするしかないのでしょうがないのだが、咳止めくらいは処方して欲しかった気はする。
強くいえばホテル療養でも薬は出してもらえたのだろうか?無理か?無理だよな、多分。
そんなこんなで寝る。
明日は退所だ。
9月10日(木)
ひと頃よりは咳もマシになってたのか、まあそれなりに寝れた気はする。
そんなわけで退所日。

ホテル療養最後の食事。これは、とにかく微妙だった。焼きそばボソボソしてるし、目玉焼きいらんし、ご飯うまくなかった。
まあ、ここのご飯もこれで終わりだと思うとあんまり愚痴をいっても仕方ない。
とりあえず10時には退所ということで、荷物をまとめ、使用した風呂場のマット、タオル、バスタオル、ベッドのシーツ類をまとめる。
10時になったら、一階ロビーに降り、先ほどまとめたリネン類を所定の場所におきて、晴れてホテルから出る。
退社時に特に検査のようなものもなく、毎日の体温と血中酸素濃度の推移で、まあ退院OKということになっているのだろう。
外に出ると、係員みたいな人が待っていて、退所後の案内的なものの封筒を渡してきた。
ちなみに帰りは知り合い家族に迎えに来てもらうか自分で公共交通機関とかタクシーで帰る。
駅がホテルの目の前にあったのでそっちに向かい帰る。
なかなか経験することもないだろう、病気でのホテル療養。
しかし特別なことも何もなく、カンヅメでひたすらダラダラしていた数日だった。
気づいたら熱はほぼ落ち着き、咳もまあたまにしか出なくなっている。
何より「治りました」というお墨付きを国からもらえるので、精神的にはわりといいかもしれない。
しかし、次あるとしたらもうちょっと食べ物が美味しいところがいいなぁ、とか贅沢を考えてしまった。
そんなわけで9月頭からの新型をコロナに感染、発症してホテル療養していた記録をお届けしました。
よく国は何もしてないとか、色々いわれたり書かれたりしていますが、そんなことはないなぁ、というのが感想。
自分がコロナになったので暇つぶしに色々調べましたが、そもそも新型コロナってウィルス自体に効く薬はないから本人の自然治癒力に頼るしかないのは既出。その上で国が何より重視してるのは感染者を増やさないこと。
その観点から言うと、ホテルでの隔離なども理解できるし、そのための費用は患者ではなく国もしくは自治体が負担しているわけで。
まあ、治療的な意味だと咳を放置されていたんですが、多分希望したら病院に入院にも切り替えられたし、そしたら処方もされたでしょう。切り替えてないからその際の診断費用や薬代がどうなるかはわからないけど。
たまに最後に検査はしないの?と驚かれたりしましたが、そもそも発症から感染力が失われるまでの日数等は把握されているわけで、そう考えると感染力がなくなった段階で療養終了となるのもまあわからなくはない。
まあ、とはいえ微熱や咳はまだあったので、11日の金曜日と翌週の仕事は全てテレワークにし、基本的に食べ物も10日の帰りに買い込んだもので食いつなぐか、Uber eatsに頼ってましたが。
とりあえずなんとか無事生還し、後遺症的なものはちょい肺が重いのと咳が出やすくなったことくらいなので、まあまあOKかな、という感じです。
と、いうことで発症から一ヶ月、ホテル療養終了から20日以上経ったので、そろそろ公表しようと思い、ブログにまとめました。
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