無職の旅-播州怪談と姫路メシ-

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こんにちは猫温泉です。
今回は前回の続き、姫路城にまつわる、あるお話から始めさせていただきます。

◆播州皿屋敷◆

時は戦国初期、姫路城城主・小寺則職に対し重臣の青山鉄山が謀反を画策。
これを知った鉄山の息子・小五郎は鉄山に翻意を促すも、逆に怒りを買って幽閉されてしまいます。
牢の中、小五郎は女中として仕えていた女性・お菊に鉄山の企みを伝えます。
実はお菊は鉄山の叛意を察した小寺家が送り込んでいた間者だったのです。
お菊は主人である小寺則職に報告し、これにより謀反は未然に防がれました。

しかし、それからすぐに播磨では戦が起こり、青山鉄山と小寺則職はそれぞれ別陣営につき敵味方として争い合うことになりました。
この戦では小寺則職が敗北、則職は落ち延び、鉄山は念願の姫路城を手に入れました。

鉄山は勝利の宴会を開いて周辺の土豪を招き、小寺家より奪った家宝の「十枚ぞろいの皿」を披露して姫路の新しい主が誰であるか示そうとしました。
その皿の準備を、まだ鉄山に仕えていたお菊が任されます。
しかし、その準備の場で、ある男が皿を一枚隠してしまいます。
その男は町坪弾四郎といい、お菊に好意を持っていた男でした。

お菊が準備した皿が一枚足りないことを知った鉄山は怒り、お菊を厳しく責め立てんとしますが、弾四郎はそれをなだめすかし、お菊は弾四郎の屋敷に預けられることとなります。
弾四郎はこの時とばかりにお菊を我が物にしようとしますが、すげなくあしらわれてしまいます。
激昂した弾四郎はお菊を屋敷の松の木に吊るし上げ散々に責め立てたあと、なんとお菊を井戸に投げ込んで殺してしまうのです。

その夜からでした。
夜暗くなると、井戸から「一枚、二枚……」と皿を数えるお菊の声と、皿の音が屋敷中に鳴り響くようになったのです。
一枚、二枚、三枚、四枚、五枚、六枚、七枚、八枚、九枚……一枚足りない……
あの有名なお菊さんのセリフはこの時に発せられたのです。
以降、弾四郎の屋敷は「皿屋敷」と呼ばれ、播州播磨の人々の恐れるところとなったということです。

のちに小寺則職が赤松氏の助力を得て姫路を奪還した際、鉄山は討ち取られ、小五郎は自害し、弾四郎は隠していた皿を手に降伏を願い出るも許されず、お菊の妹たちに仇討ちされました。
小寺則職はお菊の忠義を讃え、十二所神社に祀る事で霊魂を鎮めたと言われます。

以上が播州皿屋敷、と呼ばれるお話となります。
人形浄瑠璃である、浄瑠璃・播州皿屋敷では、鉄山が仕えていたのが細川家で、室町末期の細川家と山名家の争いを絡めた内容となっていますが、どちらにせよお菊さんへの仕打ちの苛烈さと、お菊さんの恨みと哀しみの念は変わることなく伝わってくることかと思います。

この話には江戸番町皿屋敷など、類話が多く見られ、歌舞伎や浄瑠璃、講談の題材として多くの人々に知られた伝説的な怪談となったのです。

◆お菊井◆

そんなわけで前置きがとてつもなく長くなりましたが、お菊さんが弾四郎に放り込まれて落命し、幽霊として現れた井戸、それが姫路城の敷地内、備前丸広場と呼ばれる広場にある「お菊井」です。
吊るされた松は……多分なかったかと。松自体はいっぱいありましたけど😅

厳重に囲われたお菊井

これが「お菊井」と呼ばれる井戸です。
姫路城の中にあり、観光コースの只中にあるのでひっきりなしに人が来て、謂れのような恐ろしげな雰囲気はありません。
写真には載っていませんが、外国人の観光客の団体もいっぱいいました。
さすが世界遺産だぜ!(・ω・)

井戸自体は周りを石で囲われた上、転落防止用にネットが貼られているのでとても安全ですね。

中は写真ではあまり見えませんが、結構深いです。
ただ、まだ姫路城が世界遺産になる前の、現存保護の方針に舵を切る前の段階の記憶では確か中には小銭がお賽銭のように投げ込まれていたと記憶しています。

井戸の中から何か得体の知れないものが出てくる、というのは近年ではリングの貞子に代表されますが、過去から変わらずあるアイディアなのでしょう。

暗くて冷たい水底はどこにつながっているかもわからない、いわば異界への門……そんな風に考えても不思議はありませんね。

◆オマケの姫路メシ◆

姫路城を回って空腹になったので食事をしたいと思います。
みなさん、姫路といえばどんな食べ物を思い浮かべるでしょうか?
生姜醤油をかけていただく姫路おでん?手延べで有名な播州そうめん揖保乃糸?某電鉄ゲームでは姫路で店を買うことができるアナゴ?いえいえ、違います。

赤い下駄にのって供される明石焼き風たこ焼き

姫路といえば、【明石焼き風たこ焼き】です!!
ただの明石焼きでもたこ焼きでもなく、明石焼き風のたこ焼きなのです!

軽く紹介しますと、明石焼き風たこ焼きとは、ダシに浸して食べる普通の明石焼き(地元明石を含む周辺地域ではタマゴヤキ、タマヤキとも呼びます)とは異なり、ソースをべったりと塗った上でダシに浸して食し、明石焼きの完食後にはソースの溶けたダシを飲む、という、知らない人から見たら「え?それなにしてんの!?」と言われるような食べ方をするかなりジャンクな味わいの食べ物です。
ちなみにたこ焼きとはいうものの、生地以外の具材はタコのみ、という明石焼きのソレと同じものとなります。
タマゴヤキの名に恥じず鶏卵をたっぷり使い、浮き粉という小麦デンプンを使うことで通常のたこ焼きよりよりふんわりとした生地をもつ明石焼き。
それにソースをかけることで、明石焼き本来のまろやかでジューシーな味わいと、ソースのスパイシーな具合が融合したえもいわれぬハーモニーが生み出されます。

また、前述のようにたこ焼きと異なり、よりふんわりとした明石焼きですので、ダシにつけることでふわりと生地がとろけ出し、ソースとともに生地の何割かがダシに残ることになります。
これを、明石焼き完食後にスープとしていただくのが姫路流の真骨頂。
優しく上品なダシの味にソースの酸味が加わり永遠に飲んでいられるスープが完成するのです!

そんな【明石焼き風たこ焼き】が食べられる姫路の名店がこちら。

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この店、タコピアさんはなんと創業50年以上という歴史を持つ老舗。
駅周辺の再開発などで何度か移転や改装などはあるものの、今は以前と同じ駅ビル地下のフードコート付近で営業中です。
ちなみにスープを後で飲むことを考えてか、ダシの器は大きめ。
この細やかな気遣い(と勝手に判断)が名店たる所以ですね!


まだ生姜醤油がかけられておらず不機嫌気味に見える姫路おでん

あ、【明石焼き風たこ焼き】を食べた後、飲み屋に移動して姫路おでんもちゃんと食べましたよ👍

そんなこんなで無職の旅、姫路編は終了です。

それでは次回の更新もお楽しみに!

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