はい、こんにちは、猫温泉です。
このシリーズは、私が過去に訪れた心霊スポットを写真付きで紹介するものです。
そのため、現在の最新の状況とは異なる場合があります。なお、二度三度と訪れてる場合は、その度にアップデート記事が追加されますが、心霊スポットに行きだしたのは割と最近なのでアップデート頻度は多分低いです(´・ω・`)。
さて、その心霊スポット紀行、第8回目はこちら!
◆石神井公園の三宝寺池(2018年)◆
石神井公園は練馬区にあり、ボート遊びもできる石神井池と天然記念物の沼沢植物群落の群生地になっている三宝寺池をそれぞれ核として、東西に分かれる巨大な公園です。
この公園、昼間はデートや散歩、家族での団欒やジョギングをする人々など賑わいを見せていますが、地元では有名な心霊スポットなのです。
心霊スポットとして有名なのは、石神井城跡があり、自然公園的な佇まいを見せる三宝寺池側です。
石神井城跡があることから分かるようにもともと軍事的要衝であり、武蔵国の名族として名を馳せた豊島氏という氏族の本拠地とされていました。
しかし豊島氏は室町中期以降扇谷上杉氏の家宰を務める大田氏との対立を深めていき、戦国時代に入り勃発した長尾景春の乱において江戸城を築いたともいわれる武将・太田道灌に江古田・沼袋原の戦いで敗れます。
太田道灌はそのままの勢いで石神井城にも迫り、石神井城は落城することとなるのです。
そして、この太田道灌と豊島氏の戦いこそが、この石神井公園の怖い噂の源流となっています。
◆石神井公園の三宝寺池の怖い噂◆
石神井公園の三宝寺池には以下の噂があります。
・三宝寺池の湖面の上に女性の霊が現れ、公園を行くものを見つめてくる
・三宝寺池の湖面に向かって写真を撮ると、こちらを睨みつける女性霊や白い靄、霧が映るという
・江戸時代の逸話には、三宝寺池の付近で逢引していた男女がいたが、湖面に世にも美しい女性が現れ、男はそれを追うように水面に身を投げ、後日女性の方も「金の鞍が呼んでいる、池の中に城がある」と呟きながら身投げしたという
・また、実際に石神井公園の池で男性かうつ伏せの状態で浮かび、死亡していたという事件もあったとか
これら、三宝寺池に出るという女性の霊、それが人を池に引き込もうとするという逸話は石神井城落城にまつわる、ある姫君の死が影響を及ぼしていると言われます。
石神井城落城当時、城主の豊島泰経は家宝「金の乗鞍」を白馬に置き、馬と共に崖を飛び降り、三宝寺池に身を投げ、その娘である「照姫」もまた石神井城落城と父の死に悲嘆にくれ、父の後を追い三宝寺池に身を投げたと言われています。
そして現在も石神井公園にはその二人の霊を慰めるために殿塚、姫塚と呼ばれる塚があるのです。
しかし、無念の死を遂げた「照姫」の霊は浮かばれることなく三宝寺池の湖面に佇み、生あるものを羨んで池に引きずり込もうとしている……と言われています。
ですが、このお話には疑問が残ります。
◆石神井城落城の真実◆
実は、この石神井城落城にまつわる「照姫」の悲劇は創作である、というのです。
史実では豊島泰経は石神井城の落城時には死なず、翌年の文明10年(1478年)に再挙しています(最も、この時も太田道灌に対し敗走し、その後行方不明となりますが)。
そのため、その娘に当たる「照姫」も父の死に悲嘆にくれる必要はないことから、彼女が身投げをしたという話も疑わしいものとなります。
また、豊島氏の系図に「照姫」にあたる人物が見受けられない点なども指摘されています。
では現在の「照姫」の物語が何を持って生まれたのかというと、明治時代の作家「遅塚麗水」の「照日の松」という小説が基になったという説が有力です。
またその後の他作家の作品や雑誌記事などでも「照姫」は取り上げられ、三宝寺池の「照姫」伝説は作り上げられていったようです。
事実そんな話はない、だが三宝寺池に女の例を見る人々が多数いる……。
これらの事柄は、全てとはいわないですが、いくつかの霊現象とは人々の意識に植え付けられた情報が無意識に生み出す虚像なのではないか?
もしくは、それら人々の集合的無意識が虚像を実像として結実させることがある、ということを示しているのではないでしょうか?
噂をすれば影が立つ、昏夜に鬼を語るなかれ……人々が語ることで、今日もどこかで新たな怪異が生まれているのかもしれません。
◆石神井公園ギャラリー◆

三宝寺池。湖面を取ると女性の霊が映るというが……。

湖面をの上には水鳥たちが憩っており、ライトを向けると驚かせてしまうので少々心苦しい。

先二枚と同じく厳島神社先のスペースから。ライトに照らされ夜の紅葉が鮮やかに水面に映える。

厳島神社。夜間だからなのか、入れないように囲いがしてあるが、横を抜けて池を眺めるためのスペースへは進める。

厳島神社から振り返ると、暗闇の中にポッカリと宇賀神社 穴弁天が姿をあらわす。

穴弁天から先を進み、三宝寺池を見渡せるスペースから撮影。落葉の季節なので湖面に落葉が降り積もり、柵がなければ足を踏み入れてしまっていたかもしれない。

豊島泰経を祀っていると言われる殿塚。

石に刻まれた文字は読み取れない。

「照姫」を祀っていると言われる姫塚。

姫塚は大きな木のそばに建てられ、木を守護しているかのようだった。
◆石神井公園動画◆
第8回の心霊スポット紀行、石神井公園の三宝寺池をお届けしました。
石神井公園は自然豊かな公園が血塗られた歴史で彩られ、一つの心霊スポットをなしている場です。
その歴史の正しさや、その因果の元となる物語の真偽は置いておいて、人がそこに何かを見る際、人々の意識から生み出された虚像を見ているのかもしれない、というのは非常に興味深い案件ではないでしょうか。
それではまた次回の更新まで(・ω・)/
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